インターフェロン:C型肝炎の症状と検査、治療

インターフェロンについて

C型肝炎の治療に使われるインターフェロンの効果については,いろいろな条件が重なると,より効果を発揮する.

まず,ウイルス遺伝子の型が2a・2bのどちらかであり,C型肝炎ウイルスの量が少ないこと.

次にC型肝炎になってからの期間が短いこと.

さらに,インターフェロンの使用量が多いこと.

これらの条件が重なると,良い結果が得られると言われている.

インターフェロンというのは,肝炎の治療でもっとも有効と言われている薬で,注射によって処置が施される.

肝炎に効くインターフェロンには,大きく分けて2種類あり,インターフェロン・アルファとインターフェロン・ベータがある.

種類によって,注射を打つ期間や間隔,注射量・注射方法が違う.

癌治療に使われる抗がん剤に,強い副作用があるのはよく知られているね.

インターフェロンにも,同様に副作用があり,実際に治療を受けたことがある方は,皆一様に辛かったとおっしゃいます.

主に,表れる副作用は発熱や筋肉痛・関節痛などだが,これらは座薬などの鎮痛剤を使用して抑えることができる.

しかし,長く続ければ続けるほど,不眠や意欲消失状態がでることがあり,ひどくなるとうつになる方もあるほどだ.

『このまま続けると危険』と見なされたり,患者自身があまりの辛さから「やめたい」と申し出ると,インターフェロンの治療を中断することになる.

医師の意見はしっかり聞く必要はあるが,治療をいつから始めるか,いつまで続けるかなどを最終判断するのは,患者である私達自身だ.

C型肝炎は,長い期間を経てゆっくり進んで行く病気だ.

早く治療を始めるのに越したことはないが,自分や家族が納得できる医師を探してから,治療を始めてはいかがだろう?

インターフェロン以外の治療方法について

C型肝炎に,インターフェロンの治療が最も効果的だと言われている.

しかし,ウイルスの遺伝子がインターフェロンに向いていない場合は,どうしたら良いのか疑問に思われることだろう.

C型肝炎を治療する上で,一番大きな目的は癌になるのを防ぐことだ.

たとえウイルスがなくならなくても,肝機能が正常に働いていれば,癌になるのを遅らせることはできます.

そういった意味では,ウイルスがなくならなくても,わずかでもウイルスの減少を感じることができるのであれば,インターフェロンの治療を続けることは大切だろう.

しかし,例外がある.

例えば,ウイルスの量も少ない高齢のC型肝炎患者の場合は,インターフェロンを使って副作用に苦しむことを考えたら,むしろインターフェロンを使用しないほうが良いと言われている.

なぜなら,C型肝炎はとてもゆっくりとした速度で病気が進行していくからだ.

慢性化していなければ,20年は普通の生活を送れることができるのだ.

とはいえ,何も治療方法が無いわけではない.

では,インターフェロン以外にはどのような治療方法があるのだろうか.

インターフェロンを使わない場合は,ウルソという飲み薬と,強力ネオミノファーゲンCという注射薬を用います.

これらの薬を使って,癌になるのを遅らせるのだ.

もちろんウイルスを無くすことはできないが,この治療方法を続けて生活している方は,たくさんいらっしゃいますから安心してほしいね.

インターフェロンの治療が受けられないのは

C型肝炎であっても,全ての人にインターフェロンが使われるわけではない.

よく毛染めやパーマをかける時に,パッチテストというのをするが,インターフェロンにおいても同様のテストを行う.

その際,皮膚が赤く腫れると,過敏反応ありということで,インターフェロンの治療を受けることができない.

また,過敏反応は出なくても,今までにインターフェロンの治療を行ってひどい副作用にみまわれた方も,受けることができない.

しかし,回復することができるくらいの軽いアレルギー反応であれば,間隔をあけたり薬の量を減らすなどして,インターフェロンの治療を受けることができます.

さらには,C型肝炎を患っている上に自己免疫性肝炎を発症している方もインターフェロンの治療は行われません.

自己免疫性肝炎とは,40代以上の女性に多く,原因不明の慢性肝炎だ.

この病気の方がインターフェロン治療をすると,肝臓の障害がひどくなると言われている.

肝臓病には漢方薬が効くというのを聞いたことはないか? 全身がだるくて食欲がない時などに用いられるもので,特に有名なのが『小紫胡東』というのが有名だ.

飲んでいる方もいらっしゃることだろう.

もしも,インターフェロンによるC型肝炎の治療を考えていらっしゃるのならば,すぐに飲むのを中止してほしい.

なぜなら,『小紫胡東』とインターフェロンが重なると,間質性肺炎をひきおこすことがあるからだ.

また,肝硬変を患っていて血小板が少ない方が『小紫胡東』を飲んでも,間質性肺炎になると言われている.

思い当たる方は飲まないようにしよう.

インターフェロン治療の助成について

C型肝炎に使われるインターフェロンの治療は,数回の投与で治る人もいれば,長期にわたって50回,70回と投与しなくてはいけない人もいるほどだ.

副作用のことなども考慮して,少量のインターフェロンを長期にわたって投与する治療もあるそうだ.

インターフェロンは一回の治療が高額なため,途中で治療を断念する方もたくさんいらっしゃいます.

現在,政府はインターフェロンの助成金について検討している.

ニュースによると,所得に応じて月額1万から5万の負担にするという案もでているのだとか・・・ 通常1年間で約70万円はかかるというから,この差は歴然だろう.

嬉しいことに,東京都では,すでに平成19年10月から,C型肝炎インターフェロン治療医療費助成制度が開始されたのだ.

助成の対象者は,各自治体に1年以上住所がある人で,自治体が指定している肝臓専門医療期間でインターフェロンの治療が必要と診断された方だ.

気になる助成内容だが,インターフェロン治療にかかる保険負担の医療費のうち,月額35400円を超えた治療費が助成されるということだ.

入院のみならず,通院でも適用されているそうだから,おそらく治療を諦めていた多くの患者さんが治療を再開しているのではないだろうか.

ただし,この助成は1年間が限定だ.

インターフェロンは,1年で終わらない場合もあるから,その点はまだまだ難しいところだね.

しかし,まだまだ他の自治体では助成が開始されているところは無く,皆さん辛い思いをしていらっしゃいます.

早く政府の案が可決されて,多くのC型肝炎患者が安心して治療ができる日が来てほしいだね.